【食事量低下】お年寄りの食事量が減る原因とその対策

食事の写真

ももたん
ももたん

最近、おばあちゃんの食事量が減ってきているんだ、、。

心配、、。

ひろさん
ひろさん

それは心配だね、、。

食事量が減るのには原因があることが多いんだ。

今日は食事量が減る原因を解説し、その原因に対する対策をお話ししようと思います。

読み終わると、食事量低下の原因と対策について理解できるはずです。

1:【食事の援助】お年寄りの食事量が減る原因と対策

食事量の低下は、どのお年寄りも経験することです。

食事量低下は大きく2つに分けることができます。

食事量低下の原因を大きく分けると、、

①なんらかの原因があり、対策が打てるもの

②死期が近いことが原因で食事量低下そのものに対する対策が打てないもの

まず「①なんらかの原因があり、対策が打てるもの」から説明します。

こちらは今日の本題となるところです。

対策が打てるものに関しては対策を打ちます

次に「②死期が近いことが原因で食事量低下そのものに対する対策が打てないもの」

こちらは老衰による自然な死(脳梗塞や心筋梗塞などの突然死ではない死)を迎える人のお話しです。

今回の話では②は対象外とさせていただきますが、実際には①の「なんらかの原因があり、対策が打てるもの」なのか、②の「死期が原因で食事量低下そのものに対する対策が打てないもの」なのか判断がつかないのが本当のところではないでしょうか?

判断の仕方については、医師の意見を聞きましょう。

2:食事量低下に対して対策が打てるものと、その対策

2−1:薬の問題

薬の影響はとてもよくあります。

薬には副作用がありますから、その副作用によって体にいろいろと悪影響が出る

ことがあります。

実際に薬の副作用を調べてみると「食欲不振」はよく出てきます。

ただし、自分の判断で薬を飲むのをやめたりすることは絶対にダメです。

食事量が減ってきたな?と思ったらすぐに医師に相談するようにしてください。

薬の影響の場合は薬の中止や変更などを検討してくれます。

2−2:胃腸の問題

「胃がもたれる」「膨満感」なども食欲低下の原因になります。

腸の慢性疾患としては「便秘」が代表的なものですが、「便秘」がひどくても食事量が落ちてくることがあります。

便秘の解消にむけてはこちらの記事もご覧ください。

自分では大丈夫、と思っていても重大な疾患が隠れている場合もあり得ますので食事量が低下している場合は医師に相談することが基本中の基本となります。

2−3:口腔内トラブルの問題

口内炎ができた時の口の中の痛みは辛いですよね。

辛いものや熱いものが食べれなくなります。

口内炎以外にもよく問題となるのが「虫歯」や「歯茎の炎症」。

食べ物を噛むときに痛みが出ているようだと食事が落ちる原因ともなります。

痛みが出たら速やかに歯医者さんに診てもらうことが大切です。

2−4:手の動作の問題

利き手に麻痺などがある場合や、リウマチなどで手の指関節が変形していることなどが原因になることが多いです。またパーキンソン病なども原因となります。

日本人がよく使っている「箸」ですが、かなり高度な指先のテクニックを要求される動作です。

歳を取ったら、疾患が原因で手の指がうまく動かせることができなくなることもあります。

その場合も食べ物をうまく口まで運ぶことができなくなり、疲れてしまったり精神的なストレスから食事量が落ちることがあります。

この場合は無理に箸を使うのではなく、スプーンやフォークなど使いやすいものを使うと良いでしょう。

パーキンソン病の場合は医師と相談しながら、薬が効いている時間(つまり、手が動かしやすい時間)に食事を摂っていただくなどの対策が必要です。

2−5:姿勢の問題

脳疾患が原因で意識障害がある場合があります。

はっきりと覚醒していない場合です。

脳疾患以外にも眠剤などが効きすぎているケースもあります。

いずれにしてもしっかりと起きていないと食事はまともに食べられません。

覚醒状態が悪い場合は、「食事の時間をずらす」などの対策になります。

疲労感が強い場合は「分食(ぶんしょく)」といって1日の食事の回数を3回から5回に増やして、1回あたりの食事量を減らす工夫も必要です。

2−6:麻痺の問題

手の問題や口腔内の問題も含まれますが、介護現場で食事量が落ちている大きな原因の一つは「麻痺」です。

麻痺によって手が動かせない。

麻痺によって口の中の食べ物をこぼしてしまう。

麻痺によって食べ物の飲み込みがうまくいかない。

など、、。

原因は脳血管性の疾患ですが、誤嚥性肺炎を誘発したりするので注意すべきことが多いです。

麻痺の程度にもよりますが、場合によっては「食事介助」が必要になることもあります。

ちなみに麻痺の程度を測る「ブルーンストロームステージ」というのがありますが、ステージIからステージVにおいて何らかの援助が必要になることが多いです。

2−7:精神的な問題

代表的なものは「うつ」ですが、それだけではありません。

「認知症」だったり、他の疾患から来る精神的な問題も含まれます。

「病気になった」というだけでも精神的には大きなストレスがかかるもの。

精神の問題と食事量の低下はとても関係があります。

若い人であれば「失恋」などで食欲が落ちる場合があります。

「親しい人や身内が亡くなった」という時も食事が喉を通らないことがあります。

病気なら適切な治療に加え、時間の経過も大切な精神問題に対応する要素となります。

もし「老老介護」や「嫁と姑の問題」などの環境が精神的負担になっている場合は、環境を変えることも大事な対策です。

環境の具体的な例としては「老老介護で疲れている」「嫁と姑の問題」や「老人ホームに入居して落ち込んでいる」などいろいろなケースがあります。

2−8:味の問題

美味しいものは食が進むけど、不味い(まずい)ものは食べられない。

誰でも経験したことがあると思います。

味に対する原因はかなりたくさんあるのでここではあまり書きませんが、お年寄りによくあることを2、3お話しします。

1つ目は「舌苔」。

「ぜったい」と読みますが、下に表面が真っ白になって苔が生えているように見える状態のことです。

口腔内トラブルの問題とも言えますが、口腔ケア不足が原因で味覚が落ちる原因ともなります。

「舌ブラシ」などで適切にケアしましょう。

2つ目は「認知症」。

特に老老介護の場合、奥様が認知症になると食事をきちんとつくることができなくなるようになることがあります。

味付けがおかしくなったりすることもしばしば。

そうすると夫婦揃って食事量が落ちていくということもあります。

そうなるとお互いの生命の危機となるので早めに対処しましょう!

認知症を発見するポイントはこちらの記事をご参照ください。

3:「死期が近いことが原因で食事量低下そのものに対する対策が打てないもの」に対してはどう考える?

人間誰しも最後は死にます。

そして亡くなる前の数ヶ月から数週間前から食事量が徐々に落ちていきます。

一概には言えませんが、老衰の時は草木が枯れるように自らの身体を軽くして旅立つ人が多いです。

医師との相談にはなりますが、そういった場合は無理せず食べれるものを食べられる分だけ召し上がっていただくことが大切です。

ポイントは「無理せず」です。

終末期における食事の考え方についてはこちらの記事をご参照ください。

4:まとめ

食事量が落ちる原因としては、「対策が打てるもの」と「対策が打てないもの」に分かれました。

正直、お年寄りの場合、この二つを見極めることは難しいです。

しかしひとつひとつ原因を分析し対策が打てるものに関してはそれぞれに対策を打っていくのがケアマネジメントです。

今回の記事は具体的に原因を分析し対策を立てやすくしていますので、困ったときはこの記事を参照していただけると嬉しいです。