【看取り】亡くなった人を送り出すとき。故人の好きな服装で

最後に着る服のイメージ

ももたん
ももたん

おばあちゃんと、お別れしたくない!

ノーム
ノーム

人間はいつか死ぬんだ。悲しいことだけれど、できれば後悔しないように旅立ちを見届けてあげようね、、。

1:【看取り】亡くなった人を送り出す仕事。故人の好きな服装で

最後に着る服のイメージ

介護施設で働いていると、施設でお亡くなりになる方も結構いらっしゃいます。

自宅で生活していても最期は誰しも天国に旅立ちます。

避けては通れない看取りの時期に、旅立つ人にも残される人にも大切なことをご紹介しようと思います。

最期に住み慣れた家や施設を出る時の送り出し方。

ベッドで安静にしている時や寝ている時はラクなパジャマや浴衣で十分ですが、呼吸が止まって旅立ちをする時は本人が好きだった服を着せてあげたいもの。

ゴルフが好きだった人ならゴルフウェアだって構いません。

今日は最期に故人を送り出す時の方法と、故人が好きだった服を着て送り出すことの意味をお話しします。

2:いよいよ最期の時だという覚悟を持つために

お看取りのイメージ

これは家族にとっての問題です。

旅立たれようとしている本人はすでに眠る時間が増えていることが多いと思います。

最後に着る服を選んでもらうということは、家族にとって「覚悟を決める」という意味合いを持ちます。

じつはこれが非常に大切だと実感しています。

いままで元気だった親や配偶者が旅立つということは普通は受け入れたくない事実です。

エリザベス・キュープラロスの著書「死ぬ瞬間」によれば、死の受容の過程は以下のようになりますが、最後は「受容」しなければいけません。

死を受け入れる過程

「否認」⇄「怒り」⇄「取引き」⇄「抑うつ」⇄「受容」

「否認」から始まり、各過程を行ったり来たりしながら最後は「受容」に到達していきます。

わかりやすく書く過程の気持ちを表現するとこのようになります。


「えー!本当?死んじゃうの!?信じられない、いやっ絶対に信じない!」(否認)

「死んじゃうなんてそんな訳ない!ふざけんな!!」(怒り)

「神様、なんでも言うこと聞きますから命だけは助けてください!!」(取引き)

「それでも運命は変えられない。やっぱり死んじゃうんだぁ、、。はぁ、何にもやる気が起きない、、。」(抑うつ)

「くよくよしても仕方がない。運命が変えられないなら、今からできることを精一杯やろう!」(受容)

この受容の過程は概ね施設や病院のスタッフの中では共通の認識となっているはずです。(場合によっては4段階や6段会で考えることもあります)

いずれにしても、受容の過程は本人もさることながら、本人を取り巻く家族においても同じ過程で進んでいきます。

その時に「受容」できていないと、本当に大切なお別れが言えないまま旅立ちを見送って、残るのは「後悔」だけということも少なくありません。

私たち介護スタッフは、ご本人の身体的・精神的なケアだけなく、残されるご家族のケアも同時に行っています。

そのときに後悔してほしくないので、最期の「受容」を後押しするために「最後に着ていただく服を決めてください。決めておいていただければ、(死亡確認がとれてからの)最後の着替えのときにお手伝いさせていただきます。」と言うことがあります。

そしてご家族に決めていただいた服はタンスやクローゼットのわかりやすい場所か、敢えて誰でも分かる場所に置かせていただくことがあります。

「いよいよ旅立ちのときが近いんだ」

そのようにまわりが共通の思いを持つことが、良い看取りにつながると思うからです。

実際に呼吸が止まって慌てることも人間らしいとは思いますが、死が自然の流れで抗(あらが)えない以上、穏やかに後悔なく旅立ちを見送ることもまた人間らしいことだと思います。

3:呼吸が止まったら医師の死亡確認

死亡診断書の写真

お年寄りのターミナルケア(終末期ケア)では、本人に苦痛がなく穏やかなケースも多くあります。

そういう時の医師は「呼吸が止まったら連絡をください。すぐに来れないところにいるかもしれませんが、なるべく早く来るようにします」と言うことが多いです。

実際に看取りのお年寄りが亡くなられてから医師が来るまでの時間には差がありますが、30分程度から数時間かかるときもあります。

呼吸が止まってから医師が到着して死亡確認をするまでは、亡くなられたことにはならないので、呼吸が止まっていると分かっていても姿勢を直して差し上げることはあっても服の着替えを介助したり、全身を拭くことはありません。

そっと本人が身に着けている腕時計などを外して枕元に置くことはあります。

静かな時が流れ、ご家族とご本人の時間となります。

医師が到着したら、死亡確認を行います。

「長い間お疲れ様でした」と医師から労(ねぎら)いの言葉がある場合もあります。

ともかく死亡確認を行なったら死亡診断書に必要事項を医師が記入してくれるので、その間にお身体をお湯で拭いて綺麗にします。

そしてあらかじめ用意しておいた服に着替えます。

だいたいこの段階で葬儀屋さんに連絡することが多いと思います。

ちなみに死亡診断書と役所に提出する死亡届は1枚の紙です。

決して失くさないようにして7日以内に役所に提出してください。

4:葬儀屋さんに連絡して来ていただく

葬儀屋さんのイメージ

あらかじめ医師とご家族とターミナルケアのコンセンサス(共通認識)が書面で取れている場合は、死亡診断書を医師が書いてくれたら葬儀屋さんに連絡して構いません。

もし「終末期医療の同意書」などが無く急に亡くなられた場合は、医師の判断によります。

事故や事件など予期せぬ最期の場合は医師の判断によっては警察が介入するケースがあり、その場合は警察の調査が終わるまでは葬儀屋さんに対応していただくことはできません。

心筋梗塞や脳梗塞などが原因で亡くなられたことが判れば事件性はなく、ご自宅にお体が戻って来ることができます。

その場合は経験上、警察と連絡を取りながら葬儀屋さんに棺を持って警察署までお迎えに行ってもらうことになります。

5:出棺までに時間がかかることも

部屋に置かれた棺

私が働いていた東京都世田谷区の施設では火葬場の事情で亡くなられてから出棺まで1週間近く施設でお体をお預かりしていたことがあります。

その場合は、葬儀屋さんがこまめにいらっしゃってドライアイスを交換してくれてお体を大事に扱ってくださいました。

地域の事情によって異なるとは思いますが、このようなケースも実際にはあります。

特に葬儀社にこだわりがないかたは「小さなお葬式」が流行りでもありますし、個人的には良いと思っています。

6:最後のお見送り

最後のお見送りのイメージ

出勤しているスタッフ全員でお見送りします。

しかしお見送りの時間に、他の利用者さんの入浴介助や排泄介助などに入っているスタッフは除きます。

それでも時間を合わせて、なるべくお見送りに参加するスタッフが多いと思います。

夜間のお見送りもあります。

その場合は夜勤者と一緒にお見送りしますが、夜勤帯は忙しいこともあり私1人でお見送りしたこともありました。

いずれにしても最後のお見送りはとても寂しいものです。

特にお元気だった頃を知っている利用者さんが亡くなられて、葬儀業者さんによって綺麗な白い布に包まれてストレッチャーに乗る時は毎回涙が出てきます。

そして霊柩車が見えなくなった時、私たちの仕事がまたひとつ終わった感覚になります。