【老後の資金作り】現場ではほとんど見ないリバースモーゲージ。なぜか?メリットとデメリット

リバースモーゲージの写真

ももたん
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「リバースモーゲージ」ってなぁに?

ひろさん
ひろさん

簡単に言うと「自宅」を担保にお金を借りて生活資金に充てるものだよ。自分が亡くなったときに自宅を売却して借入金を返済します。

1:【老後の資金作り】現場ではほとんど見ないリバースモーゲージ。なぜか?メリットとデメリット

リバースモーゲージのイメージ写真

「リバースモーゲージ」という言葉を聞いたのは2006年ごろにファイナンシャルプランナーの資格取得の勉強をしていた時。

しかし20年近く介護現場でいろいろなお年寄りやご家族と関わってきましたが、リバースモーゲージを利用している人や利用を始めた人を1人も見たことないのが本当のところです。

私の体験談なので、リバースモーゲージを利用しているお年寄りを担当しているケアマネジャーさんもいらっしゃるとは思いますが、、。

個人的には良い制度だと思うのですが、どうして利用する人が少ないのか?

それは本当に、本当に私のまわりだけかもしれませんが、、。

今日はリバースモーゲージのメリットとデメリットについて考えて行こうと思います。

2:そもそも「リバースモーゲージ」とは?

自宅を担保に入れるイメージ

実は初めて聞いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

金融機関に勤めていたり、ケアマネジメントに携わっていると時々聞く言葉ですが、まだまだ広くは理解されていない言葉だと思います。

わかりやすく言うと「自宅を担保にお金を借りて、自分が死んだら担保の自宅を売却して借入金を返済する仕組み」です。

お金を借りたあとも自宅に住み続けることができる上に、お金を借りることによって老後の生活資金を捻出できます。

リバースとは「逆」の意味で、モーゲージは「抵当や抵当権」という意味です。

自宅を抵当に入れてお金を借りるところまでは住宅ローンと同じです。

しかしリバースモーゲージは融資可能な金額の範囲内で定期的もしくは一括でお金を借りて、元本は死んだあとに担保に入れた自宅を売却するため、生きている間は毎月利息のみの返済となります。

月々の返済が利息のみなので負担が少ないのが特徴です。

3:リバースモーゲージのメリット

リバースモーゲージのメリットはなんと言ってもまとまった老後資金を調達できるところです。

年金だけでは不安。金融資産は持っていないが持ち家の自宅がある人にとっては一考の価値があります。

住宅ローンとは違ったメリットがありますので以下にご紹介します!

リバースモーゲージのメリット

・自宅を売却することなく融資が受けられる

・存命中は返済義務がない

・毎月の支払いが利息のみ(住宅ローンは元本+利息)

・配偶者がいる場合、契約者が死んでも配偶者が契約を引き継げる金融機関が多い(配偶者が融資の範囲内で安心して自宅に住み続けられる)

4:リバースモーゲージのデメリット

リバースモーゲージのデメリットのイメージ

おそらく以下のデメリットがあるために、あまり利用している人に会わなかったのかもしれません。

メリットも大きいリバースモーゲージですが、デメリットについても理解が非常に大切なのでメリット以上に詳しく説明します。

4−1:土地付き一戸建ての物件が対象

原則として持ち家は土地付きで一戸建てであることが前提になっていることが多いです。

マンションも対象にしてくれる金融機関もありますが、「東京、神奈川、埼玉、千葉」の物件に限っていたり、いわゆる「高級マンション」に限っている場合があります。

そのため、マンションを抵当にリバースモーゲージを利用しようとする場合は各金融機関によく確認することが必要です。

4−2:推定相続人全員の同意が必要

死後に自宅を売却することが前提の制度なので自宅に配偶者以外の子供が同居している場合や兄弟が同居している場合はそもそも契約できないことが多いです。

また離れて住んでいても1人でも子供がいる場合は、その子供の同意が必要です。

さらに他にも相続人になる人がいればその人たち全員の同意が必要です。

そういう意味では配偶者以外の同居人も相続人もいない人にとっては気楽で良い制度なのですが、それ以外の人にとっては少々ハードルが高い気がすることは否めません。

4−3:想定外に長生きすると、生きている間に融資額を使い切ってしまうことがある

切ない話ですが、今や長生きもリスクです。

リバースモーゲージといえども融資額を超えてお金を借りることはできません。

あくまでも融資額の範囲内でしかお金は借りることができませんので、長生きが想定外になってしまうと融資額を使い切ってしまうこともあり得ます。

そのため金融機関によっては契約期間(最終返済期限)を設けているところもあります。

4−4:返済額が膨らむ可能性がある

リバースモーゲージの金利は変動金利(もしくは一定期間の固定金利)であることが多く、将来金利が上昇すると返済額が膨らむ可能性があります。

つまり月々返済する利息額が高くなったり、融資を受けられる金額が少なくなることもあります。

4−5:担保となる自宅の評価が定期的に見直される

見直しで自宅の評価が高くなれば嬉しいのですが、反対に見直し時に評価額が下落する場合もあります。

評価額が下落すると融資限度額を下げられたり、融資が止まることも考えられます。

5:借り入れ先は各金融機関に加え、社会福祉協議会も

融資先は一般の金融機関に加えて、社会福祉協議会も「生活福祉資金(不動産担保型生活資金)」として取り扱いがあります。

融資金額は自宅の評価額の50%〜70%程度です。

連帯保証人が必要なケースもありますので、事前の確認が必要です。

6:まとめ。有効ならリバースモーゲージも一考に

リバースモーゲージのイメージ

私は金融機関の回し者ではありませんが、「リバースモーゲージ」はきちんと理解して使うには良い制度だと思います。

一般的には「将来、老人ホームに入居を考えている人」にとってもリバースモーゲージはメリットのある制度なのですが、実際には約20年ほど老人ホームで働いてリバースモーゲージを利用している人に会った事がないのは以上に挙げたデメリットもあるからだと思います。

正直、まだまだ日本人の感覚には馴染めていない制度という実感がします。

現在の核家族化や少子高齢化を見たときにリバースモーゲージは使い方さえしっかりと理解していれば今後、有効に使える人も多くいると思います。

しかし、デメリットも大きい制度だけに老後のいざという時のために、正しくリバースモーゲージを理解しておく必要があると言えるでしょう。