もくじ🔖
1:もう介護したくない!されたくない!地域包括支援センターの利用術
私の経験上、人にはいろいろな事情があるのが普通です。
きれいごとじゃなく、人には本当にいろいろな事情があります。
私が担当したケースでは介護放棄にもつながりかねない危険なものもたくさんありました。
もちろん介護放棄をしてはいけませんが、もう「必ず子供が親を介護しなければならない」という時代でもありません。
「子供の頃にひどい虐待を受けた」「これ以上、親のわがままに付き合えない」「仕事と子育てで精一杯!親の面倒まで見れない」など、私のお客様でもいろいろな事情で親の介護をやめたいという人が多くいらっしゃったのが事実です。
私の場合は介護施設勤務でしたので、ある程度の生活のサポートは施設で完結できましたが、在宅生活の人の場合、家族が限界を超えて介護を抱え込んでしまうことが多々あります。
本当は介護する側も、介護される側も、少しでも良好な関係でいたいですよね。
今日はそんな時に力になってくれる地域包括支援センターの業務を、私の経験も少し交えてご紹介します!
かなり私もお世話になりましたm(_ _)m
2:一人で悩まずに気軽に無料で相談!
地域包括支援センターは市区町村が設置しているもので、各市区町に複数設置されている場合もあります。
相談は無料です。
在宅や施設のケアマネジャーもときどき地域包括支援センターに相談に行くことがあります。
例1!
私が担当していたケースでは、「子供が親のお金を使い込んでしまい、親が子供に連絡先を教えたくない」というケースでした。
親のお金を不当に使い込むことは「経済的虐待」にあたり、一定の配慮が必要になるケースでした。
結論から言うと、地域包括支援センターから成年後見人制度を利用するようアドバイスされ弁護士に介入していただきました。
厳密には、そのお年寄りは認知症ではなく自分の財産を管理する能力があったので将来のために弁護士を「任意後見人」として選任しました。
例2!
またこういうケースもありました。
「叔母とはそもそも疎遠だったので、介護が必要になったからといって今さら介護したくない」
ごもっともだと思います。
近くに住んでいるのならともかく、遠隔地に住んでいる疎遠だった叔母さんのために毎週末に介護に行くのはかなり負担となります。
ましてや介護者側に小さなお子さんがいれば尚更です。
でもこういったケースは意外と多くあり、このときもかなり地域包括支援センターに協力していただきました。
施設側としては家族が近くにいないといろいろと不安なんですよね。
「でも気軽に相談できるところがある」というのはかなり心強いです。
プロでも心強いのですから、一般の人なら尚更だと思います。
3:必要最低限の協力はしましょう!
地域包括支援センターは担当のケアマネジャーや事業所と協力しながら、個々の事情に応じた対応をしてくれます。
しかしそれでも身内にしかできないことが少なからずあります。
・病院での治療方針の決定
・終末期医療の同意
・成年後見制度開始の手続
・病院や施設への支払い(成年後見人がいれば依頼は可能)
・亡くなった後の手続 など。
日々の介護はプロに任せることができますが、以上のようなことは身内が行う必要があります。
事実、私も救急車に同乗して病院に行った時に、延命の有無も含めて今後の治療方針については家族の代わりに同意することはできませんでした。
その場合は、家族の到着を待って医師と今後の治療方針が話し合われることになります。
4:地域包括支援センターの業務
細かなことは分からなくても以下をざっと見ていただければ、「地域包括支援センターは色々なサポートをやってくれるところ」ということが分かっていただけると思います😊
4−1:介護予防・日常生活支援総合事業
①第1号事業(介護予防・生活支援サービス事業)
・第1号訪問事業
・第1号通所事業
・第1号生活支援事業
・第1号介護予防支援事業
②一般介護予防事業
・介護予防把握事業
・介護予防普及啓発事業
・地域介護予防活動支援事業
・一般介護予防事業評価事業
・地域リハビリテーション活動支援事業
4−2:包括的支援事業
①総合相談支援業務
②権利擁護業務
③包括的、継続的ケアマネジメント支援業務
④在宅医療・介護連携推進事業
⑤生活支援体制整備事業
⑥認知症総合支援事業
⑦地域ケア会議推進事業
4−3:任意事業
①介護給付等費用適正化事業
②家族介護支援事業
③その他の事業
5:地域包括支援センターの人員配置
保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員が必ず配置されています!
(ただし離島など、65歳以上の方が3,000人未満の圏域にある事業所については緩和規定があります)
公的な資格を持つサポートのプロばかりなので、かなりパワフルだと思います💪
先にも述べたように、地域包括支援センターは市区町村が設置している公的な機関で、相談も無料であるため利用しない手はないです!
もし介護で困ったことがあれば、すぐに相談に行きましょう!!