老人ホームって、いっぱい種類があるんですね!
今日はその中から、後悔しない老人ホームの選び方について教えてください♪
一言で「施設」と言っても種類は多いよね。
代表的なものでは特養、老健、療養型、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、ケアハウス、グループホームなどがあります。
その中からどんな施設を選べば良いか、業界の裏話も交えてお話しするよ。
もくじ🔖
1:【介護施設の探し方】ぶっちゃけ!後悔しない老人ホームの選び方①(介護施設見学までの手引き)
「親が認知症になってしまった。」
「親が転んで足を折ってしまった。」
「親が脳梗塞で倒れた。」
「親が入院している病院から退院を迫られているが自宅で介護する自信がない。」
自宅での介護が難しい場合に選択肢に上がってくるのが「施設」です。
ここでまず最初に「老人ホーム」という呼び方ですが、できればお年寄りの前では使わない方が良いというお話をします。
理由は単なるイメージの問題ですが、「老人ホーム」というところを「姥捨山」と思っているお年寄りはまだまだ多いからです。
一度悪いイメージを与えてしまったら、誰でも入居するのがイヤになります。
しかし「グループホーム○○」とか「△△ケアホーム」という呼び方なら、「自分らしい生活を支援してくれるところ」というイメージと結び付きやすく、心理的に比較的受け入れやすい傾向があります。
事実、「基本的人権の尊重」「自立の支援」「自己決定の手助け」など、施設で働いているスタッフはプライドを持っている人が多く、自分が働いているところを「姥捨山」などと思って働いている人はほとんどいません。
「ほとんどいません」と言ったのは、「ご家族が面会にまったく来なかったら、そのとき初めてそのお年寄りにとってその施設が『姥捨山』となることがあるからです」。
残念ながら、お年寄りの口から「姥捨山に捨てられた」と言われると何とも言えない悲しい気持ちになります。
最近の施設は「○○レジデンス」や「△△の家」など、イメージに配慮されているネーミングが多くなりました。
ですから、それに乗っかるのは良い手だと思います。
いまだに「特老」「養老院」などという言葉をご家族から聞くことがあります。
そう言った時はいつもさりげなく上記のお話をさせていただいています。
そして「面会が非常に大切」というお話もしています。
施設を探す前に大切なお話をしました。
今日から3回に分けて、ケアマネジャーの資格を持つひろさんが、ぶっちゃけトークで後悔しない介護施設の選び方をご紹介します。
第3回目の最後に「施設見学のチェックシート」を添付していますので、必要な方はダウンロードしてください。
今日は第1回目、施設を探す方法や注意点などをご紹介します。
2:自分たちで施設を探そう!「WAM NET」や「福ナビ」で探す
介護保険が使える施設は種類が多く、一般の方には違いがわかりにくいと思います。
日々の相談業務の中でも、介護保険で使える施設について説明する機会はかなり多いです。
そこで問題となってくるのが「どうやって探すか?」ということです。
自分で探す場合は、「新聞折り込みで探す」「インターネットで探す」「誰かに教えてもらう」ということが多いのではないかと思います。
もし家族だけで施設を探す場合は、上記の方法に加えて「ワムネット」というサイトで検索する方法をおすすめします。
ワムネットは全国の施設が検索できます。
「独立行政法人 福祉医療機構」というところが提供する総合情報サイトで、古くからあり王道のサイトです。
情報量が多いのがメリットである反面、地域の施設名が羅列されているので本当に自分たちのニーズに合っている施設なのかどうかまでは分からないのがデメリットです。
もし東京都の施設や事業者を検索する場合は「東京都 介護施設」などと検索するのも良いですし、「東京福祉ナビゲーション(通称:福ナビ)」というサイトもあるので参考にすると良いと思います。
こちらは「公益財団法人 東京都福祉保健財団」が運営している総合情報サイトです。
「福ナビ」も私たちプロがよく利用するサイトです。
都の研修や集団指導に参加すると、よく東京都から福ナビのPRがあります。
もしよかったらこちらも使ってあげてください。(上から目線😅)
3:誰かの力を借りよう!
3−1:地域包括支援センターに相談する
でもなかなか家族で手分けしても「自分たちで探すのが大変!」という時もあると思います。
まずは公的な機関として「地域包括支援センター」や「社会福祉協議会」などで相談に乗ってくれます。
特に「地域包括支援センター」は主任ケアマネジャー、保健師(看護師)、社会福祉士の配置が必須となっているので、かなり強力なサポートが得られます。
実際に施設で働いていると地域包括支援センターからの入居の相談がよくあります。
「身内がいない」「家族と何らかのトラブルを抱えている」などの場合は地域包括支援センターが力になってくれることが多いです。
施設側からしても、入居後も地域包括支援センターの方が施設と協力していろいろなサポートをしてくれるので、とてもありがたい存在です💕
3−2:病院の地域連携室に相談する
もしお父さんやお母さんが入院しておられる場合は遠慮なく「病院の『地域連携室』にいるメディカル・ソーシャルワーカーや社会福祉士」に相談しましょう。
ソーシャルワーカーから、在宅のケアマネジャーや施設を紹介してもらえることがあります。
(ちなみに「地域連携室」という呼び名は「地域医療連携室」や「総合相談室」などとも呼ばれており、各病院で呼び方が異なります)
件数は少なくなりましたが、いまだに病院から直接入居の相談があります。
しかし以前は、病院の地域連携室にいるメディカル・ソーシャルワーカーや社会福祉士から直接、施設を紹介するケースが多くありました。
近年は病院の地域連携室が紹介会社を利用するケースが増えてきています。
背景には施設の増加と病院の地域連携室の業務過多があるそうです。
本来なら地域連携室は紹介先の施設の特徴や費用などを把握しておかなければいけないのですが、少子高齢化のため相談件数の増加と地域の施設数が増えていることが原因で「全てを把握できない」といった事情があるようです。
そのため、施設紹介の専門会社にお願いすることが増えているそうです。(ある病院の地域連携室の相談員の話)
そして、もしかしたらこちらが本音の部分かもしれませんが、病院の地域連携室が「紹介した責任」を回避することができるのが大きな要因の一つかもしれません。
近年、テレビやネット、新聞で介護施設の不祥事が報じられています。
そのときに「なんであの施設を紹介したんだ!」というリスクを回避するために紹介会社に任せてしまうケースが多いようです。(ある大学病院の地域連携室の相談員の話)
あと、よくあるケースとして「その病院と同じ系列の施設を紹介する」というのがあります。
病院の敷地の隣に施設があったり、離れたところに建っていても運営母体が病院と同じ法人の場合などです。
「お任せ」であれば、その施設を利用するのもアリだと思います。
手間がかからない上、その施設に入所したあと、万一体調を崩して再入院する場合は連携がスムーズに行くことがメリットだからです。
ただし、同じ系列の病院でもベッド数や対応できる医師の問題から再入院を断るケースが散見されるので、その点は注意が必要です。
その場合は訪問診療医や主治医などの紹介で、別の病院に入院することになります。
3−3:介護施設の紹介会社に相談する
また「介護施設の紹介会社」の力を借りるのも良いでしょう。
「介護施設の紹介会社」は施設の紹介を本業としているため、紹介できる施設の選択肢が豊富です。
私が知る限り「利用者やご家族の負担なし」で利用できます。
紹介を受けて施設に入所したら、施設が紹介料を紹介会社に支払う仕組みになっているところがほとんどなので、相談から施設に入所するまで費用が全くかからないところが多いです。
施設でケアマネジャーをしていたときに実際に何度か取引があった紹介会社さんのリンクを貼っておきます。→【きらケア老人ホーム】に無料登録
「リハビリしたい」「レクリエーションが多い方がいい」「食事が美味しいところが良い」などのニーズや予算に応じて適切な施設を紹介してくれます。
施設見学に紹介会社のスタッフが必要に応じて同行してくれるので、はじめての見学でも安心です。
また施設側としても、紹介会社からの紹介だと、見学時にある程度ニーズや希望をまとめてくれているので助かります。
施設見学で確認しておかないといけないことは実は結構多いのですが、紹介会社のスタッフは心得たもので、お客様に変わってそのポイントを聞いてくれたりします。
初めての見学の時は心強い存在となるでしょう。