【転職】介護業界にも存在するホワイト企業。ホワイト企業になるまでの道のりと課題

会社のイメージ

ももたん
ももたん

介護職や看護師は3Kなどと言われていますが、ひろさんの施設もそうだったの?

ひろさん
ひろさん

私が勤めていた会社も相当キツい職場でした。

でも途中からホワイト企業になって、そこからは本当にラクに働くことができたんだよ!

ももたん
ももたん

それは良かったけど、くれぐれも無理しないでね🙏

でもどうやってホワイト企業になったの??

ひろさん
ひろさん

今日は2つ、ホワイト企業にするために必要なことを書きます。

  1. 現場のスタッフがホワイトな職場にするためにできること
  2. 本社や経営者がホワイト企業にするために向けて取り組むこと

いくら使命感があっても自分の心身が壊れたらどうしようもないからね。

経営者サイドの役割が大きいところがあるので、もし現場サイドでできることをやってもダメなら、心身を壊す前に最終的に転職するのも全然アリだと思います。

1:【転職】介護業界にも存在するホワイト企業。ホワイト企業になるまでの道のりと課題

ホワイト企業のイメージ

私が勤めていた会社はホワイト企業でした。

これは本当です!

残業代はきっちりと支払われるし、カンファレンスの参加も任意。

有給休暇も申請すれば100%取得できます。

ただし、年末年始やゴールデンウィーク・お盆など、ほかのスタッフと希望休暇が重なる時は時期をずらして交代で休みを取るルールになっていました。

それでも有給休暇がしっかりと取れるのはありがたい!

月に9日〜10日の公休に加え、月に2日〜3日の有給休暇の取得で結構余裕がありました。

その間に私の場合はwebデザイナーの専門学校に通ったり、オンラインのプログラミングスクールを受講しました。

しかし私が勤めていた会社は、最初からホワイト企業という訳ではありませんでした。

ではどのようにホワイト企業になっていったのか?

今日はホワイト企業になっていった軌跡をお話ししたいと思います。

2:2002年の入社当初、カンファレンスは基本的に全員参加

カンファレンスのイメージ

施設や事業所によって呼び名は違うかもしれませんが、「カンファレンス」とは職員会議のようなものです。

同じ会社でも施設によっては「職員会議」と呼んでいるところもありました。

ただこのカンファレンスが毎週1回開催されていたのです。

カンファレンスを開催する理由は「援助方針や方法の統一のため」。

当然、必要なことだと思います。

でも、このカンファレンスが基本的に全員参加だったのです。

入社した当初は、公休日によくカンファレンスがあるのを忘れて施設から電話がかかってきて慌てて出勤するということがよくありました。

今考えればおかしなことと思いますが、当時は「入居者さんの援助の統一のため」という思いだけで、おかしなこととは1ミリも思っていませんでした。

今考えれば、ある種の「洗脳」に近い状態だったのかもしれません。

その頃は残業も多く、休憩もロクに取れないことが多々ありました。

ただし、残業代だけはしっかりと請求すれば支払ってもらえたのでそれが唯一の救いでした。

3:会社が上場することになった!

株式上場のイメージ

ある日、会社が上場するという話が出てきました。

上場が決まった頃から「コンプライアンス」とか「法令遵守」という言葉が今まで以上に社内で叫ばれるようになりました。

でもこれが良かった!

もともとそんなにブラック企業ではない(と私が思っている)弊社でしたが、上場を機に「ノー残業デー」「残業代未払い防止」などが事務所の壁に貼られることに。

「やっと一流企業の仲間入りだ!」と歓喜の声。

しかし有給休暇の取得率はまだ低く、有給休暇をどのように取得していくかが課題でした。

4:有給休暇がなかなか取れない。現場と本社の深い溝

有給休暇のイメージ

上場が決まったからと言って、すぐに本物のホワイト企業になったわけではありません。

有給休暇がなかなか取れないのは、多くの企業の「あるある話」かもしれませんが弊社も同じく有給休暇を取得する人は限られていました。

「子育て中のお母さんが、お子さんが熱を出した時」や「退職するときの有給消化」くらい。

あとは年に1日から数日を旅行などで有給休暇を取得する人が若干いる程度。

「有給は取りたいけど、ギリギリの人数で現場を回している以上、誰かが休むとシフトが組めなくなってくる。」

それが現場の現状でした。

でも本社は現場の人員を増やすつもりなし。

その頃は、「誰かが辞めることが分かってから採用活動するように!」と言われていましたから。

そこで現場の人たちでいろいろと考えた結果、今までより1日の出勤者数が1人少ない状況で現場を回していけないか検討することに。

実は1日の出勤者数が1人少なくても、施設の人員配置基準の「入居者数:看護介護職員が3:1以上」というのは満たしていましたから、法的には全く問題ありませんでした。

そこで私たち現場のスタッフたちはいろいろと知恵を出し合いました。

それで出た結果!

「一律に行なっていた入居者さんの散歩の機会を減らす」「全員に配っていたお茶を必要な人に限定する」「毎日の血圧測定は医師の指示があった人か、降圧剤や利尿剤を飲んでいる人に限定する」など「本人の希望があってもなくても行なっていた一律の援助はやめて、必要な人に必要な援助を行う」ということに方針転換することになりました。

そして家族会や運営懇談会を通じて本人やご家族からの反発を覚悟で入浴日が週3回以上ある入居者さんの入浴介助を週2回にしてもらう説明をすることに。

これは一部の入居者さんからは「それならココを出ていく!」「最初の説明と違う!訴えてやる!」など予想通り猛反発を買いました。

本当にその通りだと思うし、申し訳なかったです。泣

結局、1人の入居者さんを除いて同意が取れたのでケアプランの変更を行うことに。

このときケアマネジャーとしては相当数の利用者さんのケアプランの変更を余儀なくされたのですが、「個別ケア」という観点からすると本来の介護保険の意味だと思ったので歯を食いしばってケアプランの変更を行いました。

そして3ヶ月ほどかかって、やっとのことで1日1人分の出勤数を減らすことに成功!

「1日1人分が減らせる」ということは、「その月のカレンダーによりますが、施設全体で有給休暇に使える日数が30日もしくは31日増える」ということを意味します。

単純計算ですが、仮に施設に在籍するスタッフが30人なら1人1日はその月に有給休暇が使える日が増えます!

それでも最初は誰も有給休暇を取りたがらなくて、休みにできる日数だけが余っていました。

仕方ないから私から積極的に有給休暇を取るようにしました。

そしたら、後追いする人が出てきて有給休暇をしっかりととることができるようになったのです。

「なんだ!みんな有給取りたかったんじゃん!」

しかしその後しばらくして本社の人から衝撃の一言が、、

「余裕あるみたいだから、退職者が出ても採用は無しでお願いします」

😱😱😱

「マジか!こんにゃろう!!」🤬😤😠(←現場のスタッフたち!)

「有給休暇は私たちの権利なんだよ!採用なしで、と言うならその分アンタが現場に入れ!!」と誰かが言いました!(どさくさに紛れて私が言ったかもしれません😅)

そしたら黙ってしまって「じゃあいいよ」と言っていましたが、そこから本社との溝はさらに深くなるのでした、、。

5:社員が全員加入の労働組合ができた!

労働組合のイメージ

ほどなくして弊社にも労働組合ができました!

「組合費」という名目で給与から天引きされることもあり労働組合に関しては賛否はありましたが、できてしまったものは仕方がなく私も同僚もみんな労働組合に加入することに。

私たちの周りから団体交渉に出席する人はおらず、会社との交渉は労働組合の偉い人にすべてお任せしている状態でしたが、彼らが残業時間の削減や有給休暇の取得に向けて会社と交渉してくれたらしく、労働環境はかなり良くなっていきました。

本社の人も「積極的に有給は取りましょう。働き方改革のこともありますし、、」。

現場で今までの苦労はいったい、、😱😱😱

実際のところ、労働組合ができて「ホワイト企業化」が加速していきました!

6:そしてホワイト企業に、、

桜の写真

「ドラ○エ3」の「そして伝説へ、、」ではないですが、私たちの会社はこのようにしてホワイト企業になっていったのです。

表向きはホワイト企業になっても課題はたくさん残っていました。

同じ会社でありながら、施設によっては「多くの時間の残業をしなければ現場を回せないところ」とか「有給休暇が取得率が極端に低い施設」がたくさんあったのです。

それは違う施設に転勤を命じられた時にわかりました。

同じ会社なのに、前に赴任していた施設とちがって有給が取れない、、。

労働時間が11時間、、。

1日8時間×週5日でも労働時間が多く感じるのに、、。

会社はホワイト企業になったはずなのに、劣悪な環境の現場、、。

早く辞めたい。

施設長の手腕によるところも大きいのかもしれませんが、どこの施設も働く人が希望を持って働けるところになってほしいと願っていただけに非常に残念、、。

それからは地獄の毎日。

新しく赴任した施設でも前に勤めていた施設と同様に徹底的に業務内容の見直しを行いました。

そうすると少しずつ「残業時間が減り」「有給休暇の取得率が上がって」いきました。

結果、とても辛かったけど1年ほどで、その施設もホワイト化に成功!

7:結論。介護現場はブラックになりやすい。だから本社の方針が大切。無理なら燃え尽きる前に転職も

コンプライアンスのイメージ

私の場合は幸い良い会社に就職したと思います。

経験上、介護の仕事はいくらでも仕事があります。

鳴り止まないナースコール、徘徊するお年寄り、危険予測に危険防止などなど、、。

現場では「目の前で困っているお年寄りのため」と「無理をすることが当たり前」になってしまい、そのことに異議を唱えることが憚(はばか)られる状態になっていることもあります。

本社や経営者も「それが普通」と思い込んでしまっていることも少なくありません。

そんな中で、困っている入居者さんの生活より自分たちの労働条件を優先するのは少し勇気が要りました。

それでも「燃え尽きないよう」にするには、無理せず長続きする働き方が大切です。

介護業界でもホワイト企業は確かに存在します。

まずは本社との交渉となるのでしょうが、今までお話ししたように、なかなかすぐには解決せず時間がかかることもあります。

もしあなたにとって合わない職場なら無理をせず、場合によっては「介護スタッフの転職サイト」や、看護師の場合は「転職活動を全面サポート!【看護のお仕事】 」などを利用することも必要かもしれません。

本当に大切なことは「医療従事者」や「介護従事者」を失わないこと。

介護職員が燃え尽きてしまうと、本当に困るのはお年寄りだと思うのです。

すべての介護現場がホワイト化してほしいと切に願っていますが、自分の経験も通して、すべての介護現場がホワイト化するにはまだまだ時間がかかると思います。

ホワイト化に向けては、本社や経営者の方針は非常に大切です。

すべての介護業界や医療業界の経営者は、現場のスタッフの声を真に聴いて、ホワイト化に向けて改善に努める経営者であってほしいと思います。